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梯子登りの道具紹介

加賀鳶梯子登りを行うために必要な道具は、梯子(はしご)、鳶口(とびぐち)、纏(まとい)であり、演技に弾みをつけるために唄うのが、「加賀鳶木遣くずし」です。このような道具を使って、歌を唄う中で、美しく、迫力ある演技ができるのです。

はしご
まとい
とび口

はしご登りの衣装

梯子登りを行うとき、消防団員は「ぱっち」、「腹掛け」、「腕抜き」、「帯」、「鉢巻き」をして、役割ごとに決っている法被を身につけます。これから、その法被を紹介します。

腰掛け
ぱっち
腕抜き
鉢巻き(豆絞りの手ぬぐい)

演技者の法被

高さ6mの梯子のてっぺんで演技する者の法被です。背中の「梅鉢紋」は、梅の花を図案化したもので、加賀藩前田家の家紋として広く知られています。花びらと花びらの間に剣がついており、戦国時代の武将の勇ましさを表しています。

加賀鳶法被

この法被は、鳶口で梯子を支持する者と、纏を持つ者の法被です。梯子は長い鳶4本、短い鳶4本に加え安全管理用鳶2本を10人の消防団員が持って支えます。纏は1人の消防団員が持ち、演技が決まるごとに「ヤーヤー」と掛声をかけながら2度打振りします。背中には「金沢」という文字が染め抜いてあり、この法被を着る人数が多いことから、とても目立ちます。

木遣隊法被

加賀鳶木遣くずしを唄う者の法被です。この法被は、羽織のように丈長になっており、帯を用いないで前を紐で結びます。

子どもはしご登り法被

小学校4年生から6年生までの子ども演技者の法被です。背中に梅鉢紋、すそや袖の絵柄が波に兎となっていて、火伏せの意味をももたせています。

木遣くずし

多人数が隊をなして行進するには、何らかのリズムが必要であるとのことから、昭和30年頃、歌詞を募集し、「男伊達なら命をかけて」という加賀鳶にふさわしい歌詞を採用。 そして、テンポがよく、あかぬけした粋な唄になるよう民謡会等の協力を得て作曲したものです。

1.

 ハァーエー 加賀の鳶とびだよ 百万石の 纒振るにも 火柱こえて 男伊達なら 命をかけて エンヤラヤ

サノ ヨーイサ ヨイヤナ エンヤラヤレコノセ サノセ アレワサ エンヤラエー

2. 

ハァーエー 襟にゃ加賀鳶 出初めの時は 勇み裸に 梯子を立てて 夢の枕や あら吹き流し エンヤラヤ

サノ ヨーイサ ヨイヤナ エンヤラヤレコノセ サノセ アレワサ エンヤラエー

3. 

ハァーエー 加賀の華だよ 知らせの半鐘 ジャン ジャン ジャン と鳴りゃ 纒を持ちて 梯子・鳶口 気合を揃そろえ エンヤラヤ

サノ ヨーイサ ヨイヤナ エンヤラヤレコノセ サノセ アレワサ エンヤラエー

4.

 ハァーエー 木遣音頭に 三団揃え 祝い祭りや 百万石の 心あわせて 火事場の守り エンヤラヤ

サノ ヨーイサ ヨイヤナ エンヤラヤレコノセ サノセ アレワサ エンヤラエー



演技内容

技は「火の見」に始まり「敬礼」で終わる27種の連続技です。 一人が梯子に登ったら、すべてを通しで演技します。 これによって統一感が生まれ、美しく、迫力のある「加賀鳶梯子登り」の演技を市民の皆さんに披露することができ、火の守りの重要さを訴えます。


【火の見】

梯子の頂上から火事の状況、風向き、周囲の状況等を確認します。

梯子登りをした目的の始まりです。

【しゃちほこ】

鯱は水を吹き上げる海獣。

防火の効があるといわれ、建物を守るシンボルとして、城郭などの屋根棟の 両端に取り付けられています。

演技でも尾をそらせているような姿勢をとります。

【さかさ大】

右肩を右竹、左竹を股の間に入れ、両手両足を開くバランス技です。

【八艘飛び】

源義経の八艘飛び。

遠くへ飛び越える姿勢をとります。

【灰吹き】

灰吹きとはタバコ盆に付属する竹筒。

垂直の姿勢が求められる大技です。

【一本背亀】

一本の竹の先端一ヶ所で身体全体を支えます。

研ぎ澄まされたバランス感覚が必要で、最も難しい演技です。

【横大】

最も力を必要とする大技です。

腕力、腹筋、背筋力が求められます。

体操の吊り輪のような力技を披露します。

【鶯の谷渡り】

鶯が谷を飛んでいる姿です。

技から技へと飛び移る曲芸。

はしご登りのクライマックスで、演技者の動作が最も激しい技です。

【敬礼】

はしご登りの最後の演技です。